■札束の部分は紙です。イメージ写真です。

家計の資産が増えているという現実をどのように考えるのか

日銀は3月25日、2015年の10月から12月の資金循環統計を発表。これによると、家計が保有する金融資産残高は1,741兆円と過去最高。企業の金融資産も1,117兆円との事で、こちらも過去最高です。当然安倍首相はこの数字を把握しているからこそ、とにかくお金を使ってもらうべく、あの手この手と打ち出しているのです。

このような状況は、ただ単にお金を使っていないという事実だけではなく、いろいろな事実を思い知らせてくれます。果たしてこの数字は、一体どのような事を意味しているのか。それらをいくつか考えてみるとしましょう。

老後不安に尽きる

とにかくこれでしょう。将来どうなるのかは、誰も分かりません。その結果、とりあえずお金を貯めておこうと思っている人が多いのです。特に年金など、もはや誰も期待していないと言っても決して過言ではありません。ともすれば、今後はもはやもらえないだろうとさえ思っているでしょう。

では誰を頼るのかといえば、自分を頼るしかありません。老後に備えてお金を貯めておく。寿命は誰にも分からない以上、「貯め過ぎ」という事はないのです。もしもですが、財源の話云々抜きに政府が「65歳以上から毎月40万円渡します」という政策でも始めれば、貯金の必要性がなくなるので、どんどんお金を使うでしょう。消費意欲が停滞しているのは、老後不安が大きいのです。老後の不安があるのに、「お金を使いましょう」と言われても、企業も個人も無理でしょう。

老後だけじゃない…

何が起きるか分からないのは老後だけではありません。その際、自分の身を守ってくれるのはお金です。例えば、それまでは不動産を持っていれば安心だと言われていましたが、東日本大震災のおかげで、不動産さえいつかは自分の手元を離れ、価値を損ねてしまうかもしれないのです。

それなら現金で持っていた方が良いと思う人もいるでしょう。もちろん資産も大切ですが、いざと言う時、資産を手放して現金にと思っても手間がかかりますし、価値が変動するので、損をする可能性さえあります。ですが現金であれば、額面が変化する事はありませんので、いつまででも安心して持っていられるのです。それなら、結局は現金で持っていた方が得だろうと考えるのもよく分かります。

欲しい物がない

これも多いでしょう。特に近年の若年層は「悟り世代」とも言われているように、消費意欲があまり高くはありません。
バブルを経験した世代は、バブル期はお金を使わないのは悪という風潮の元で生活を送っていたのです。ギャップがあって当然ではありますが、スマートフォンさえあればそれだけで十分という若者も多いです。

消費意欲が低いというよりは、節約志向が強いと言った方が良いのかもしれません。無駄だと思うものにはお金を出さない世代ですが、近年の日本企業の体たらくからも分かるように、「質の良いものを買いたい」と思っている層にとっては、消費者を食い物にしていたそれまでの日本企業が信じられないのかもしれません。結果、何も買わないから貯まる。このような図式になっているのかもしれません。

経済政策と言っても…

アベノミクスと呼ばれる金融経済政策は悪いものではないのですが、一方では「前時代的」との声もあるように、消費意欲をと思っても、そもそも体質的に消費意欲が少ない人が多いのです。そのような状況で「消費を」と思っても難しいのです。若年層の方がお金を使うとは言われていますが、少子高齢化に意識の変化。これらを考える事こそが今の時代の金融政策なのです。

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