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日銀が景気判断を弱めた理由を3つの観点から考える

3月15日、日銀は金融政策決定会合を開催。ここで金融緩和策は維持するものの、景気判断に関しては弱めるとの事。「基調としては緩やかな回復を続けている」と判断を弱めたのですが、これは事実上の「あまり良くはない」という宣言と考えてよいでしょう。

なぜなら、黒田総裁が「ダメだ」と発言すると、それまで良かったものでさえ「ダメ」な雰囲気に侵される可能性があるからです。政府・行政としても、「ダメだ」「ヤバい」とは言いたくないのです。言葉を上手くチョイスしなければならないので、このようなセリフは正直、景気が停滞していると考えてよいでしょう。

日銀や政府は様々な金融策を打ち出しているものの、まだまだ思ったような効果を出せずにいます。一体なぜなのか。その事情を3つの観点から考えてみるとしましょう。

消費者心理と行政の机上の計算

やはりこれがとても大きいでしょう。行政や日銀も景気の事を考えています。ですがそれはあくまでも「机の上の計算」で考えています。例えば消費税増税がその顕著な例です。

増税しても大丈夫と計算で出たからこそ消費税を増税したものの、増税した事で消費は停滞。それまでの景気回復ムードに冷や水どころか、流氷を投げつけてしまいました。消費税が増税されれば消費が落ち込む。

これは過去にも明らかですし、その事で警鐘を鳴らしていた経済評論家も多かったのですが、結局は増税。
結果、このような状況となってしまっているのです。

時代が違う

一連のアベノミクスに対して「時代錯誤」と断罪する識者もいます。というのも、今の我が国は、そもそも消費意欲が高くはありません。お金がないというよりも、高度経済成長期ではありませんので、誰もが生活に必要な物は最低限揃えています。

需要があるとすれば、買い替え需要程度です。行政としては、国民の多くにいろいろとお金を使わせたいのでしょう。ですが、お金の有無の問題も無関係ではありませんが、それ以上にお金を使う部分がないのも事実です。そうなると、結局は「老後のために」という事で貯蓄しておく事になります。

誰もがいろいろな物を揃えたいと思っていた高度経済成長期であればまだしも、今の時代で消費意欲を促すのは、なかなか簡単ではありません。マイナス金利も、高度経済成長期のように企業がお金を使ってでも投資したいと考えている時期であれば有効ですが、そのような時代ではありませんし。

勝ち組にだって理由はある

近年「格差是正」「富の分配」といったように、お金のある所からいかにお金を動かすのかがテーマとなっているのですが、お金を持っている人には持っているだけの理由があります。それらをまるで悪い事かのように言われ、「ターゲット」にされるのはたまったものではないでしょう。むしろ自由資本主義経済である以上、差はあって当然です。

勝ち組にも勝ち組の理屈があるのです。「金は天下の回り物」という言葉もありますが、お金を持っている側としては、「何をしようが自由」です。わざわざ国の経済を考えて消費にまい進するような人はそうそういないはずです。お金がない側からすると、そのような所からもっともっと税金を取れば良いだろうと思うかもしれませんが、仮にそのような高所得者が海外に移転するともなれば、日本の税収そのものが下がります。

このように、様々な事情を考えると結局は個人個人がどうにかするしかないのかもしれません。その方法がなかなか見つからないからこそ、多くの人は歯ぎしりしているのかもしれません。経済政策は有意義なものではありますが、意図が理解されなければ、なかなか国民も思った通りには動いてくれないものです。

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